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高齢者医療バウチャーの試験的報酬制度
要約
- 資源を有効に使用しプライマリ・ヘルス・ケアを促進するという目的のもと、政府は香港の65歳以上の資格を有する高齢者に対し、医療バウチャー(「バウチャー」)を使って私的医療サービス提供機関による健康診断、慢性病の検査、また健康管理などの指定のプライマリ・ヘルス・ケア(「PHC」)サービスを利用することを奨励するために2023年11月13日より報酬の提供を開始します。
- 高齢者が医療サービス提供機関を訪れる主な理由が指定のPHCサービスを利用することである場合、その際に高齢者が使用したバウチャーの金額は報酬を獲得するために貯めることができます。得られた報酬は将来そのような指定のPHCサービスを利用する際の費用の支払いに使用することができます。
- 高齢者が同じ年のうちに指定のPHCサービスを利用して使用したバウチャーの金額の合計が$1000以上になると、eHealthシステムによってその高齢者のバウチャーアカウントに$500の報酬が自動的に配布されます。
- 3年間の高齢者医療バウチャー試験的報酬制度(「試験的報酬制度」)は2026年12月31日までの制度です。1人の高齢者に対し最多で年1回報酬が配布され、つまり試験的報酬制度の期間中に1人の高齢者が受け取れる報酬金額は$1,500が限度です。
指定のプライマリ・ヘルス・ケア・サービスとは?
試験的報酬制度の指定のPHCサービスには下記が含まれます。
高齢者医療バウチャー制度(「EHVS」)に登録している医師、漢方医、歯科医
- 予防のためのサービスや長期にわたる健康状態を定期的観察したり記録したりするサービスで、例えば
- 医師:健康診断、身体検査、病気の検査、予防接種、病気予防のための薬の処方、慢性病の治療など
- 漢方医:健康診断、慢性病の管理など
- 歯科医:歯科検診、歯石除去、抜歯、詰め物など
慢性病共同治療の試験的制度
- 高血圧および糖尿病の検査
- 診療、薬物投与(適当である場合)、検査機関での病理検査、看護師による診療サービス、および治療期間に関連する医療サービス
地域の健康センター/地域の簡易健康センター
- 変形性膝関節症痛や腰痛の慢性病管理プログラムを含む個別に提供されるサービスや、心筋梗塞、股関節の骨折、脳卒中などの後の地域社会でのリハビリプログラム
香港大学 ― 深圳病院とその健康センター
- 予防のための外来診療や長期にわたる健康状態を定期的観察したり記録したりする外来診療は下記の機関で提供されています。
- 11の指定の外来診療センター: 家庭医療診療、健康診断管理センター、事故および緊急時部門、整形外科診療、眼科診療、歯科診療、漢方診療、内科診療、産婦人科診療、外科診療、リハビリ診療
- ファーウェイ荔枝苑地域社会健康センター
報酬制度の仕組み
2024年の報酬 | 2025年の報酬 | 2026年の報酬 | |
---|---|---|---|
報酬額 | それぞれの年に指定のPHCサービスを利用するために使用したバウチャーの金額の合計が$1000以上になった場合、将来指定のPHCサービスを利用するために使用できる$500の報酬(最多で年1回)が配布されま | ||
報酬獲得のために使用されたバウチャーの額を貯められる期間 | 2023年11月13日から 2024年12月31日 |
2025年1月1日から 2025年12月31日まで |
2026年1月1日から 2026年12月31日まで |
報酬額を使用できる期間 | 2023年11月13日から 2025年12月31日 |
2025年1月1日から 2026年12月31日 |
2026年1月1日から 2027年12月31日 |
- 2023年11月13日より3年間の試験的報酬制度が開始されます。特別措置として初年の報酬(つまり2024年の報酬)のためにバウチャー使用金額が貯められる期間は2023年11月13日から2024年12月31日とします。その後の2年間のそれぞれバウチャー使用金額が貯められる期間はその年の1月1日から12月31日です。
- 1人の高齢者が同じ年のうちに指定のPHCサービスを利用するために使用したバウチャーの金額の合計が$1000以上になった場合、その人のバウチャーアカウントに$500の報酬が自動的に配布されます。$500の報酬が配布されるのは、高齢者が指定のPHCサービスを利用しバウチャーを使用して支払い、その使用金額の合計が$1000に達した場合に限られます。報酬が配布されるのは最多で年1回です。
- 貯めることができるのは同じ年のうちに使用されたバウチャーの金額だけです。貯められたバウチャーの使用金額はそれぞれの年の初め(通常1月1日)にゼロにリセットされ、それ以前に貯められた金額はその日に失効します。
- eHealthシステム(補助金)に記録されたバウチャー使用金額が$1000に達すると報酬は直ちに配布されます。その高齢者が登録した香港の携帯電話番号に SMSメッセージが送付され、そのメッセージには報酬の有効期限も表示されます。
- 報酬は健康診断、慢性病の検査や管理など指定のPHCサービスを利用する際に使用できます。
- 報酬は次の年の年末に有効期限が切れます。未使用の報酬は貯めることができず、その有効期限が過ぎると失効します。
注意事項
- 高齢者が指定のPHCサービスを利用しバウチャーで支払う場合、eHealth System(補助金)によって自動的にまず報酬(有効な報酬がある場合)からその料金が差し引かれ、(必要な場合には)次にその高齢者のバウチャーアカウントから料金の残額が差し引かれます。
- 指定のPHCサービスの支払いに使用した報酬の金額は報酬獲得のために貯められるバウチャー使用の金額としてカウントされません。言い換えれば報酬は別の報酬獲得のためには使用することができません。
- 配布された報酬は高齢者に提供される毎年のバウチャーの金額とは別に保持されます。バウチャーが貯められる限度額(現在は$8,000)は影響を受けません。
- 「使用者加算」の原則に基づき、高齢者が指定のPHC サービスを利用しその配偶者のバウチャーを使用した場合には、その使用額は配偶者分としてではなく高齢者本人のバウチャー使用として加算されます。
- 指定のPHCサービスを利用した際に報酬を使用して支払った場合、その高齢者には報酬の残額と有効期限がSMSメッセージによって通知されます。
- 配偶者間で報酬を共有して使用することはできません。
- 高齢者は医療サービスを利用する際に関連する記録について医療サービス提供機関に問い合わせることができます。
ホンさんの例を見てみましょう:
2024 年
ホンさんは2024年1月から6月にかけて指定のPHCサービスを利用し、それぞれ$400、$500、$600のバウチャーを使用します。
この3回の指定PHCサービス利用で使用したバウチャーの金額は合計$1000を超えたので、$500の報酬が2024年分として配布され、その報酬は2025年12月31日まで使用することができます。
2025 年
ホンさんは2025年5月に指定のPHCサービスを利用し、$1,600のバウチャーを使用します。
eHealthシステム(補助金)によってホンさんのバウチャーアカウントからまず$500の報酬(つまり2024年分の報酬)が差し引かれ、不足分($1,100)は彼のバウチャーアカウントの残額から差し引かれます。
差し引かれたバウチャーの金額($1,100)は指定のPHCサービス利用に使われたものなので、$500の報酬が2025年分として配布され、その報酬は2026年12月31日まで使用することができます。
2026 年
ホンさんは2026年2月に指定のPHCサービスを利用し、$400のバウチャーを使用します。システムによってホンさんのバウチャーアカウントから2025年分の報酬が差し引かれます。ですから彼の口座にある報酬の残額は$100になります。
その後、ホンさんは2026年10月に指定のPHCサービスを利用し、$1,300のバウチャーを使用します。システムによってホンさんのバウチャーアカウントからまず$100の報酬の残額が差し引かれ、不足分($1,200)は彼のバウチャーアカウントの残額から差し引かれます。
差し引かれたバウチャーの金額($1,200)は指定のPHCサービス利用に使われたものなので、$500の報酬が2026年分として配布され、その報酬は2027年12月31日まで使用することができます。
お知らせ
- それぞれの年の報酬には有効期限があり、それを過ぎると報酬は失効します。高齢者はその点に気をつけて有効期限内に指定PHCサービスを利用して報酬を最大限に利用するようによく考えて計画を立てることをおすすめします。
- 衛生署(「DH」)および健康サービス提供機関はバウチャー使用(報酬を含む)に関連して、高齢者に銀行口座の情報(パスワードを含む)を提供するよう電話やSMSメッセージで要求したり、ウェブリンクをクリックするよう要求したりすることはありません。高齢者は詐欺にご注意ください。
- DHは既存の監視機構と共にいかなる違反行為が疑われる事案にも厳粛に対応し、必要に応じて法の執行機関や関係する専門の管理局または委員会に報告して適切に追及するための措置または行動を実施します。
詳細は下記をご覧ください。
本制度のウェブサイト:www.hcv.gov.hk
本制度のホットライン:2838 2311
(December 2023)
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